2014年9月16日火曜日

糸島市民まつりPRイベント(イオンモール香椎浜)



 はじめて「ようかい体操第一」の猛威をマノアタリにしたのは今年3月30日、キャナルシティ福岡で開催されたGFF 2014(Game Fan in Fukuoka 2014)〜福岡市、福岡市に本拠を置くゲーム会社、九州大学らで組織された「福岡ゲーム産業振興機構」主催によるゲームファンイベント〜でのことだった。
 いくつかプログラムがあったが「『妖怪ウォッチ』コーナーを始めます!」の声がかかるや、それまでどこにいたんだという数の子供たちがわらわら集いだし、アッというまにサンシャイン・ステージを占拠、その日いちばんの盛りあがりへと雪崩れ込む。
 司会の漫才コンビ、アシスタントの女性アイドルをハナっから存在しないかのようにスルーして、主人公ケータくん、ルビニャン&ダイヤニャン(の着ぐるみ)をとりかこんではやんややんやの大騒ぎ。
 2択のクイズ大会が始まれば「では、みんなで正解だと思ったほうに手をあげてくださーい」をぶっちぎって口々にガチ解答を連呼、連呼の大騒ぎ。
 そんな光景を目のあたりにして「ええっ、『妖怪ウォッチ』ってこんなに人気あんの!?」と、おなじ妖怪でも1980年代の第二次妖怪ブームに耽溺した旧オカルト少年としては、まあ、子供がそういうのにハマるのも充分理解できるっちゃできるが、水木しげる先生の著した妖怪図鑑にも中岡俊哉先生の著作にも、もちろん鳥山石燕の書画にも登場しない「ジバニャン」「コマさん」のあまりにネアカな姿がなかなか飲み込めない。
 「こんなのよりコケカキイキイのほうがかわいいだろう!」と、心のなかで頭を抱える旧オカルト少年に子供たちの熱狂は少しビターなものにうつった。
 しかし、そんな感慨などよそに彼らの興奮ゲージはますます上昇する一方で、それが頂点に達したのがメインイベントの「みんなで『ようかい体操第一』踊ろう」コーナーであった。

 まずは振りつけを知らないお友達のために指導員のお姉さんが招かれ、基本的な動作を教えてくれることになったのだが・・・そこにいる全てのお子様たち、「そんなもんかったりーよ、早く踊らせろよ」と禁断症状を隠そうともせず、すっかり上気しきった顔でサンシャインステージをウロウロしている。
 それでも職務を果たすべく大声をはりあげるお姉さん。曰く、「ポイントは3つだけ」。
 まずは「ウィッス!」のポーズ。
 なるほどね、と入間市民会館でちびっこ相手に全力の挨拶をぶつける故・いかりや長介さんの姿を思い浮かべながら、在りし日の彼がしたように片手を「ウィッス!」と勢いよく振りあげてみたが・・・これが全然違うじゃないの。
 「ウィッス!」はいわゆるB-BOY STANCEと呼ばれる、腕組んでバシッとキメるあのポーズで、「妖怪ウォッチ」に登場するウィスパーなる妖怪(もちろん、そんなの水木しげる先生の漫画にも中岡俊哉先生の著作にも鳥山石燕の書画にもでてこない)がこういう仕草をするらしい。
 続いては「妖怪のポーズ」。
 これは「両手を天にあげ、膝を曲げる」動作だそうだが、いったいこれのどのへんが妖怪なのだろう。そのまま片足をあげれば水木しげる先生描くところの「おたすけーっ」「うわーっ」の図に見えないこともないが、ううむ。
 ともかく、この動作を「みーぎ、ひだり、まえ2回」。
 で、最後は「ウォッチ」のポーズ。
 いちいちつっかかるのもメンドくさくなったので、シンプルに説明すると、これは左手に装着した腕時計に妖怪メダルを入れる動作であった。
 この3つさえ知ってれば、オッケー・・・だそうだが。

 いざ音楽が始まると「基本の3つ」以外にもたくさんの振りつけがあり、アッというまに置いてけぼりにされてしまった。ちょっと!お姉さん!どうしたらいいんですか!
 そんな使えないオトナをよそに、全ての振りつけをカンペキにマスターしている子供たちは元気よくピョンピョン踊り跳ねている。
 カイカイキイキイクイクイケイケイ・・・のところなど特に楽しそうだ。それはコケカキイキイの仲間かい?
 結局、教えられた「妖怪のポーズ」「ウォッチのポーズ」もうまく出来ず、「ウィッス!」のとこだけドヤ顔で腕を組みながら「知らぬところでドえらいブームが発生しているのだなあ」と唸るしかなかった。
 おれ、妖怪のヒット曲って「ぺったらぺたらこ」しか知らないからさ・・・。

 で、どうして今回「ようかい体操第一」の話から始まったかというと、これが先月末の第14回定期軽トラ市公演からLovit's!のレパートリーに加わったのである。
 「暦の上ではディセンバー」「恋するフォーチュンクッキー」に続き「ようかい体操第一」をチョイスしたその選定眼に、妙な納得と「そこくるか!」のスリルと一抹の貪欲さを感じたが、この「新レパートリー」がその真価を炸裂させたのが、おととい(9月13日)二丈町で開催された「赤米鑑賞会」ライブであった。
 子供が多かったせいもあるが、とにかくウケがものすごい!
 音楽がかかるやいっせいに子供たちがステージをとりかこみ、なかにはステージにずんずんとあがっちゃうヤツまでいたりして、その「僕たち/私たちも踊らせろ」衝動ったら「おかあさんといっしょ」の最後らへん以上である。
 これが糸島の子供たちの気質によるものか、それとも「妖怪ウォッチ」ブームがさらに加速してのものなのかは定かでないが、それ以前のカバー・レパートリーだった「恋するフォーチュン・クッキー」が"宴会とかカラオケで踊れたら人気者だし〜"的「嗜み」のうえで成立していたものだとするなら、この「ようかい体操第一」はもっとプリミティブな欲求、ないしは「流れてきた→踊らねば」の条件反射に訴えかける、最もヤバいタイプのキラーチューンに思えた。
 カイカイキイキイクイクイケイケイ来い来い妖怪ウォッチッチ、でいっせいに手足をバタバタさせるLovit's!&子供たちをみて「これは強力な武器を手にいれたな・・・」とまたもや唸りつつ、うーん、すっげえ楽しそう。おれももう少し若ければ・・・。

   そして今。
 ステージ開始を数分後に控えて、撒き餌(ルビ:ビージーエム)の「ようかい体操第一」につられた子供たちがまた何事かとショッピングモールの広場に集まりつつあった。
 「まさか、これから・・・!?」の期待を、一見興味なさげを装ったクールな表情の裏に潜め、今か今かと着火の瞬間を待ち続けているのが傍目からでもよくわかる。
 そして、その瞬間はすぐそこまで来ていた・・・ってところで少し話を前に戻そう。

 hitマリナ通り住宅展示場で糸島市定住促進イベントを終えたLovit's!には、この日もうひとつ、東区香椎のイオンモール香椎浜で糸島市民まつりをPRする任務が控えていた。
 それを追って自分も西区から東区へ、博多湾沿いを車でぐるっと走りぬける。
 その日は日曜日で、しかも道すがらの東区筥崎宮では福岡を代表する秋のおまつり・放生会(ほうじょうや)が開催されていることもあり、香椎へと続く国道3号の大混雑が予想されたが、実際はそれほどでもなく、どちらかといえば、筥崎宮から進んだ先で発生した焼き肉屋さんの火事に因を発する交通規制にナンギな思いをさせられた。
 それでも早過ぎるぐらいの16時前には現地着。PRイベントは17時30分からなので余裕、余裕。

 16時30分すぎ、センターコートでステージの設営がはじまるとメンバーの皆さんも姿を現し、あたりの柱に糸島市民まつりのポスターを貼ったり、行き交う人々にチラシを配ったり、さらには椅子を並べたりと尊い準備に勤しんでいる。
 そういった地道な活動のかいもあって、開演前には多くのお客さんがステージのまえに集まっていた。
 前述のとおり、BGMの「ようかい体操第一」もまた良い集客材料になっている。
 今回、なんとステージと客席のあいだにロープじゃなくて、ベルトじゃなくて、なんていうんだろう、あのほら、仕切のオビ(調べたらベルトインパーティション、と言うらしい)が張られており、イオンモール(に限ったハナシではないが)でメジャーアイドルを観ると、必ずこのベルトインパーティションがもれなくついてくるので、「Lovit's!がメジャーアイドルの領域に足を踏み入れた!」とよくわからないところで感動する。
 個人的には「Magic Island」がメジャーレーベル発のオムニバスに収録されたときよりもステップアップを感じた瞬間であった。
 すぐ撤去されたんだけどね。

 Lovit's!メンバーがステージにあがって立ち位置などを確認しているあいだ、いとゴンもまたちびっこたちに愛想をふりまき、彼なりのPR活動に励んでいた。そんな彼の写真を撮っていたら、やや軽めではあったが久しぶりにお腹ムギューッをくらう。
 最初に会ったとき(=Lovit's!を最初に観たとき)にも、ゆるキャラとは思えぬパワーで腹肉をムギューッとつかまれ、ホントそのときは誇張なしで悶絶の悲鳴をあげてしまったのだが(あのときの感触、まだ残ってるぜ)、つきそいのお姉さんによればこの行為には「スキな人と結ばれるイワレがあります」だそうで、なるほどなあ。実はありがたい御業だったのか。一年以上越しでようやく遺恨が氷解したよ。
 逆につかみ返してもOKだそうで、こちらからもムギュギューと腹を揉んでさしあげる。ムギュー、ムギュギュー。

 17時30分。いよいよ待ちに待った開演のときがやってきた。
 司会者の役を仰せつかったあさきちゃんがまずはひとりでステージにあがり、本日のステージの主旨説明を始める。うおおお、このセリフまわしの慣れっぷり&完成っぷりといったらなんだ。すでにこういうお仕事をされている方のようにメリハリがあって、聴きやすく、澱みない。
 感心しすぎて「皆さん、こんにちわー!」に応えられなかったのをこの場を借りてお詫びしたい。

   あさきちゃんの素晴らしい挨拶に導かれて、Lovit's!の皆さん(あさきちゃんもいったんステージをおりてPR隊に再編入)がLovit's! Themeとともに元気よく登壇。
 しかし、うーむ、さっきのhitマリナ通り住宅展示場・糸島市定住促進イベントに続いて、ここでも開演前の恒例「今からLovit's!のステージがはじまるよ!」 ナシかあ。と、少々寂しく思っていたところ・・・ステージ中央で円陣をつくったLovit's!がそのまま「今からLovit's!のステージがはじまるよ!」「みんなーしゅーごー!」を公開敢行したではないか。しちゃったよ!
 なんて素晴らしい光景なんだろう!
 みんなして空を指し示したあとは・・・来た、「ようかい体操第一」だ!
 こちらが感動の余韻に浸っているそばで、待ってました、とばかりに子供たちがいっせいにギアを入れる(サーモグラフィでみればきっと面白い映像だったろう)。
 これが何のイベントかまだわかってない感じ満載の子供たちであったが、まんまと「ようかい体操第一」に踊らされているところをみると、Lovit'sはガッチリ彼らのハートをつかむことに成功した模様。このシチュエーションではLovit's!が体操のお姉さんにみたいになっていてそれも良い。フト振り返ったらいとゴンも踊っていた。
 君は妖怪じゃなくて怪獣のハズだが、そういうところ、抜け目ないよな。

 さんざっぱら子供たちのハートを掌握したあと、満を持してなるなるが「私たち、糸島PR隊Lovit's!です!」とあらためて正体をあかし、「10月4日と5日におこなわれる糸島市民まつりのPRをするためにやってきました」と今回の東区訪問の目的を告げた。
 まだ「妖怪ウォッチ」と糸島になんの関係があるのか見いだせぬまま、しかしすっかり暖まった、そして踊り足りない顔をしている子供たちに、その流れで「フリが簡単なのでマネしてください!」とオリジナル曲「いとくると」への移行を宣言する。
 なんてウマい作戦だろう。これで子供たちが喰らいつかないハズがない。そもそもPRなんて理屈じゃないのだ。
 事実、いと・いと・いと・いと・くる・くくる・くる・くる♪と手を動かすちびっこ達の姿があちらこちらで散見され、なんだかLovit's!が「ようかい体操第一」で釣った子供たちをそのまま糸島へ導く現代のハーメルンの笛吹きにみえてきたよ。
 さらにLinQさんのファンたちにも「Going My Way!」をサービスし、続く「Magic Island」ではセンターコートに集った全ての層の人々をぐわっと包みこみ、PRとしてはそれはもうカンペッキーとしか言いようのない、非の打ち所が見当たらない上出来すぎるセットリストが展開された。

 しかし、それだけでは終わらず、そこからさらに場を盛りあげたのがあろうことかアノ緑のアイツ、いとゴンである。
 あみなちゃんの「わたしたちの友達を呼びたいと思います!」→全員の「いとゴーン!」コールで招かれたアイド竜が「いとゴンのシマ」を踊るためフロアにスタンバイした途端、先ほどの「ようかい体操第一」どころじゃない勢いで子供たちが緑のもとへと詰めかけた。
 子供たちの予想外のブヒアゲっぷりに、先ほど撤去されたハズのロープというか、オビというか、なんだっけ、ええと、アレ(ベルトインパーティション!)が再びひっぱりだされ、いとゴンを幼き暴徒たちの手から守らんとフロアの左右に配備される。
 あみなちゃんによればいとゴン、今年も「ゆるキャラグランプリ」にエントリーして虎視眈々と一位を狙っているそうで、それもまた素晴らしい心意気であるなあ。
 よろしければ皆さんもご協力をお願いします。
 
 ゆるキャラグランプリ2014 エントリーNo.893(福岡県)いとゴン

 一瞬で「妖怪ウォッチ」を越える瞬間最大ブレイクを叩きだしたいとゴン。
 こうなったら怪獣ではあるが、糸島地産のおばけを率いて「妖怪ウォッチ」風味の活動を始めてみてはいかがだろうか。
 糸島でウォッチできる妖怪といえば、二丈の「血あび地蔵」、大入の「追ってくる六つの生首」、小田の「だいぐれん」(生前から鬼婆として知られていた老婆が、死してガチ鬼婆として復活。村のみんなで供養しても供養しても「そんな気休め供養で成仏できるほどおれはおめでたくないぞ!」と暴れまわったもんだから偉いお坊さんが地獄に叩き落とした) 、桜井の「釜負の幽霊」(釜を割ってしまった女中さんが、それを背負ったまま首を吊って、化けてでた)などが知られている。
 彼らの着ぐるみを引き連れ、Lovit's!と一緒にいろんなところでPR活動をすれば・・・どれも生々しすぎてウケそうにないなー!ないなー!
 やっぱりいとゴンはソロアイド竜で頑張ってください。ウィッス!

 糸島市民まつりは10月4日、5日に開催されます。
 http://itoshimamatsuri.com/


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