2014年11月9日日曜日

福岡マラソン2014・おもてなしエリア


 午前8時20分。小雨のぱらつくなか、全国から集まった1万人を超えるマラソン愛好者が福岡市の中心部・天神を一斉にスタートした。コースは渡辺通りを北上し、九州朝日放送本社のまえで那の津通りへ、そのまま直進して突き当たりの当仁小学校にぶつかると次は黒門川通りを右に、福浜団地入口交差点からよかトピア通りに折れると・・・っていわれても土地勘のない方にはサッパリわからないだろうから、ここからは皆さん大好き「修羅の国」らしい道案内を試みてみる。

 秋山選手の放った天井直撃弾に着想を得たギャオス捕獲作戦(「ガメラ 大怪獣空中決戦」)の舞台となった福岡ドーム、キングギドラに襲われた福岡タワー(「ゴジラVSキングギドラ」)を右にしながら、ゴジラとスペースゴジラとモゲラによって完膚無きまで破壊し尽くされたももち浜(「ゴジラVSスペースゴジラ」)を後にし、室見川を渡って「正しい街」(「無罪モラトリアム」)に別れを告げると、よかトピア通りはマリナ通りと名前を変える。やがて、かつてその地下で謎の新興宗教団体が宇宙規模のテロルを企てた愛宕山(「黄金竜伝説」)が左手に姿を現し、そのまま進むとランナーの皆さんには初の難所・西福岡マリナ大橋の上り坂が襲いかかるが、ここから眼下に広がる姪浜港は北朝鮮のコマンド部隊が上陸した戦略的要所(「半島を出よ」)、また港の対岸にそびえる石切場跡はかの呉一郎が怪人物より狂気の巻物を譲り受けた由緒ある土地(「ドグラ・マグラ」)なので息切らせながら存分に戦慄していただきたい。
 日本最大の観覧車(のち、倒壊)を有していたマリノアを過ぎれば、ゾンビ蔓延後の世界で暴走集団が因縁相手に容赦ない制裁を加えたヨットハーバー(「地獄の窯開き」)、イザナギが黄泉の国の穢れを禊いだ小戸の海、「入ると幽霊がでる」とウワサの電話ボックス(もうかれこれ20年ぐらい前に流行ったウワサだが、このご時世にまだ撤去されないところをみるとガチかも知れない)があり、小戸西交差点を左折して唐津街道に入ればそっから先はずっと元寇の激戦地。炸裂するてつはうの爆音と硝煙に思いを馳せながらムクリコクリが隠れる生の松原を抜けると旧陸軍がナゾの秘密兵器をつくらんと掘削を進めた長垂ペグマタイト岩脈がある。
 以上、修羅をヒョイと超えた奇々怪々きわまりないエクストラオーディナリー・福岡マラソンコースガイドをお送りしたが、案ずることなかれ。ホントにこわい事件事象はこれでもカットしてます

 で、そんなダークサイド(福岡市だっていいところよ!)を抜けると、ここから先はもう我らが楽園、糸島半島だ。よ、待ってました!
 長垂の先、今宿には昨夏ステキなサウンドシステムで快い感動を届けてくれた「三菱電機・厳菱会夏祭り」の会場、三菱電機今宿グラウンドがあるし、数日前にLovit's!及び関係者がごっそり福引の景品をかっさらっていった「第10回 愛まつり」の会場も程近い。
 県道85号に入って九州大学のほうに走れば、途中、あんぬちゃんが福引で野菜詰めあわせをひきあてた元岡小学校があり(なんか、Lovit's!が福引荒らしだと勘違いされそう)、折り返し地点の九州大学は毎年Lovit's!が出演している伊都祭でおなじみだ。11月23日には九大祭もありますよ。
 ポスターのロケにも使われた景勝地・二見ヶ浦からはサンセット・ロード、すなわち「『Magic Island』とはなにか?」を身を持って体感できるエリア〜しかしそれはまだ入り口にすぎないのだが〜が始まり、そんでもってゴールはLovit's!にとって一年を通してのクライマックスとなる"糸島市民まつり"の会場、糸島市役所志摩庁舎前に設定されてるんですからこんなにタメになるコースもあるまい。
 まさにヘルからヘヴンへ、ダンテ『神曲』のごときテイストで地獄・福岡(もいいところよ!)と天国・糸島の記念碑的スポットを次々踏破できるのが今年の福岡マラソンなのだ。そして『神曲』の最終章でダンテが聖人&天使たちの集う場所に辿りついたように、ゴールのむこうには聖人顔負けにうまい糸島のお食事&天使顔負けに素晴らしいLovit's!の歓待が待ち受けているという。
 その名も・・・「おもてなしエリア」
 なんてすごそうなエリアだろう。こうなったら僕もおもてなされてみたい!というわけで行ってきました。・・・電車とバスで。 
  
 と、その前に。
 Lovit's!と福岡マラソンの関わりをざっと振り返っておこう。
 まずは5月4日・福岡どんたく港まつりに福岡マラソン2014の応援チームとしてLovit's!もパレードに参加。呉服町から天神中央公園前までの約1270mの道のりを、ももいろクローバーの「走れ!」にのって、当時まだ研修生だった3期生&いとゴンと共に練り歩いた。
 続いて『糸島まるごとコメ道場2014~田園フィールドに広がる「伝えたい!私のメッセージ」』(6月29日〜)では、二丈地区の水田に赤米で「つんのうて走ろう!糸島へ」の文字を描き、なんとこのなかでLovit's!はメイン(?)の「糸」&「島」を任されている。ちなみに「つんのうて」は糸島の方言で「一緒に」「連れだって」を意味しているそうだ。
 この田んぼアートは福岡マラソンにちなんだオブジェクトとして新聞やテレビなどでもよく紹介された。

 それらのホップ・ステップを経ての福岡マラソンだから、もちろん本番にもなにかしらのカタチでLovit's!が関わってくるんだろうな、と予想はしていたが、先だって告知されたランナー応援イベントエリア(糸島半島の五ヶ所に設置された、いわゆるどんたく演舞台的なおまつりステージ)の参加者リストおよびタイムスケジュールに彼女たちの名前はなく、二丈絆太鼓やおなじみのダンススクール、キッズチアリーディング、あのひょっとこ踊りまであるのにこれは一体どういうことだ、ひょっとしたら選定が抽選かなんかになって、そこで落選してしまったのだろうか・・・と心配したが、後日ゴール会場の大舞台「おもてなしエリア」に満を持して出演することを知ってホッと胸をなでおろした。これこそ「そうこなくっちゃ!」な采配である。よかったー(絶景・レストラン二見ヶ浦駐車場会場でLovit's!を観てみたい、という願望も少しあったけど)!

 で、おもてなしエリアへ。
 交通規制で車はだせないし、雨降ってて寒いから自転車は無理だし、久しぶりに筑肥線で筑前前原駅へと向かう。S山門駅から電車に乗ると、いきなり普段の倍ぐらい乗客が多い。「ま、まさかねー」と思いながら、筑前前原で彼ら全員がどっと下車したのを観て、はじめて今日のイベントの重大さを肌で感じとった。こんな光景、みたことないぞ。
 おもてなしエリアへ運んでくれる無料シャトルバスが定期的に発着しているというので運行状況を案内の方に伺ってみると「現在1時間30分待ち」と、これまた衝撃的な言葉が返ってきた。
 現在12時30分過ぎなので、1時間30分待ってバスに乗り、おもてなしエリアに行くとなると・・・Lovit's!の登場時間は14時30分だから渋滞のこととか考えるとホントにギリギーリじゃないか。
 打ちひしがれながら「(歩けないこともないし)歩いていきますか」と、トボトボ志摩中央公園に歩きだし・・・「やっぱりバスにしましょう!」バス乗り場・糸島農業高校へ。
 行列に並んでみると、タイミングが良かったのか30分もせず大きな観光バスに乗ることができ、とくに渋滞に遭うこともなく、すいすいイオンモール志摩へ連れてってもらうことができました。よかったー!

 イオンモール志摩の駐車場に停まったバスを降りると、そこには「糸島でこんな大勢の人間見たことない!」レヴェルの大人口が詰めかけ、こういう例えもナニだがジャニーズがコンサートやるときの唐人町〜福岡ドームよりすごかった、と思う。とうとうLovit's!がそのクラスのアーティストに・・・(感涙)!

 この日の糸島の最高気温は17.3度、ザ・走ってもないのにもてなされようとしている人間としては少し肌寒く感じたが、マラソンにとってはジャストフィットな気温であるらしく、実際に完走率も97パーセントを超えたというからめでたい。

   次々とゴールにとびこんでくる参加者を迎える「おもてなし」も実に糸島らしいスタイルで、糸島グルメグランプリでおなじみの名店をはじめ、マラソン参加者にはタダで焼き牡蠣やみかん、暖かい豚汁などがふるまわれる総力戦っぷり。これ、糸島新聞によれば「シーズン入りしたカキ100キロ(約一千個)を無料で提供」していたそうで、牡蠣のことはよくわからないが、一千個つったら「海のあっちからこっちまで」みたいなスケールではないか。全力のおもてなし、すごすぎる。

 ありがたくももったいなくも、ザ・走ってもないのにおもてなしエリアに足を踏み入れてしまった人間にも、いきさん牧場のヨーグルト、アサヒ・ドライゼロ、マ・マー早ゆで3分スパゲティなどがグイグイ「持っていきなさい、持っていきなさい」と手渡され、なんだか申し訳ない気持ちに。どれも超うれしかったです(プロモーション)。
 雨とはいえそんな感じだから、天候関係なしに賑やかなことこのうえなかった。

 人混みをかきわけかきわけ沿道まで足を伸ばしてみると、糸島の方々が旗や風船を手に応援&歓迎にでていて、物産による歓迎以上に素晴らしい光景がそこにはあった。
 僕自身はマラソンに一切縁がない人生を送ってきたので、こういう場にくるのも初めてなのだが、都市マラソンにおいてはこれも普通の光景なのだろうか。でも、スタート地点とはガラッと趣きが異なる"決して広くない道"での応援や、失敬ながら"何か特別なものがあるわけでもない景観"の飾りっ気のなさがまた糸島らしくてグッと来るんですよね。

 沿道からランナーにかけられる声も、いい。
 おじさんが「もうちょっと頑張ったらカレーがあるよ!」と通りすぎるひとりひとりに声をかけてて、僕も「もうちょっとしたらLovit's!がいるよ!」の声をかけたくなった。しかし、もし僕がランナーで、沿道から「もうちょっとしたらLovit's!がいるよ!」と声をかけられたらと考えると、ちょっとこれは想像を絶する嬉しさだなあ。
 ランナーズ・ハイの果てに出逢ういとしまPR隊 Lovit's!とはどれほどのものなのだろう。それを体験するためにも来年、出走する価値があるんじゃないか(Lovit's!がまたおもてなしエリアに出演するなら・・・)。でも、ヘタすっと途中でガチの意味での天国へ行く可能性があるね。かなりあるね。
 
 14時を過ぎたので、沿道で頂いた応援用の風船(長細いやつ)を持っておもてなしエリアに帰還。
 依然として小雨がパラついていたが、志摩中央公園のグラウンドに設えられたステージには屋根があって一応雨を避けれるようになっている。

 14時30分。
 Lovit's Themeが流れ始め、リズムにあわせて応援用風船をベコベコベコベコ叩きながら「わー、迷惑なファンがやるやつだわ、これ」と今更にして気づく。あわわ、今日はまあ、そういうお祭りなので見逃していただきたい!
 今日の出演メンバーはあさきちゃん、なるなる、ひびきちゃん、さとみちゃん、れなちゃん、あゆかちゃん、ゆうちゃんでした。


 一曲目は「Magic Island」。これほどランナーを糸島に迎えるのにふさわしい曲もあるまい。知らぬまま走ってきた道が「必然の道・彼の帰り道」だったかも、と気づかせてくれたりするのだ。わー、いいなあ。やっぱり来年は走ってみたいなあ。
 そして、この歌を唄っているあいだに雨があがったのだが、「Magic Island」のステージ中に雨が止むのを目撃したのは2度3度ではない。やはりこの唄には何かしらの魔力が宿っているようだ。それほどの晴れソングですし、来年はマラソンのテーマ曲にしてみてはどうですかね!
 続いて「for you」「全力Everyday」と、スポーツイベントに相応しい活発なナンバーが間髪入れず投下され、おもてなしエリアの隅々まで元気な声が響いていた。


 最初の「Magic Island」から「おお、おおお〜」とこちらの目を釘付けにし、「for you」「全力Everyday」で「わ〜、わわわわ〜」とクール・ファイブのごとき感嘆の声をあげてしまったのが、この日のあさきちゃんのダンスである。普段から視線泥棒(ついつい目を持っていかれてしまう)気味なところがあるあさきちゃんダンスのキレキレっぷりが、この日はさらに凄いことになってて、それが最大レベルまで炸裂したのが続いての「いとくると」であった。ひょっとしたら今日の所感を円グラフにすると9割ぐらいが「あさきちゃん、スゲー!」で埋まっていたかもしれない、それほどのものだった。

 MCコーナーでは、メンバーひとりひとりから糸島のおすすめが紹介された。
 あゆかちゃんは姉子の浜の鳴き砂。ゆうちゃんは羽金山の電波塔・・・ずいぶんシブいチョイスっすね!ひびきちゃんは元ロイヤルファミリーだけあって日本最大の内行花門鏡、伊都歴史博物館、平原遺跡の重要史跡を満遍なくフォロー。さとみちゃんは工房めぐり。夕日が好きなれなちゃんからは二見ヶ浦に沈む夕陽が夕陽百選に選ばれているとの情報を教わる。なるなるは日本一の売り上げを誇る産直市場・伊都菜彩を紹介し、さすがLovit's!の給食糸!であった。ハマボウの妖精・あさきちゃんはもちろん泉川のハマボウを淀みなくイントロデュース。

   こうなると本日不在のメンバーからも「糸島のいいところ」を是非伺ってみたいので、このMCはレギュラー化して頂きたいところ。んで、いつか紹介された全ての「いいところ」を1日で廻るLovit's!お勧めスポット・クロールにも挑戦してみたい。
 次は満を持して"わたしたちのお友達"、そして"俺のお友達"でもあるいとゴンが「ゴンゴーン」「ゴンゴンゴーン」とコールを受けながら登壇した。
 "いとゴンの頭は糸島半島のかたちになっている""いとゴンのお腹を触ったら幸せが訪れる"などのトリビアも紹介され、これでいとゴンビギナーにも基本情報がバッチリ叩き込まれたんじゃないかな〜しかしそれはまだ入り口にすぎないのだが〜
 今日の「いとゴンのシマ」には新たな展開があって、ひびきちゃんがいとゴンを隣でエスコートする、なんだかものすごくハートフルなアップデートがなされていた。
 いとゴンのお姉さん(うたのお姉さん的な)みたいなニュアンスだろうか。いや、佇まいとしては、なんというか、そうね、ジブリアニメにでてくるモノノケと対等に接して遊ぶ女の子に近いものを感じました。ううむ、すばらしいよ。僕はこういう種族を超えたかわいいもの同士の共演にものすごく弱いんです!
 ・・・モノノケ扱いしてごめんよ、いとゴン。
 でもあれですね、これまで各メンバーにちょっかいをだしてきたいとゴン、本命は誰なのだろうとずっと思ってましたが、今日のこれでひびきちゃんが一歩リードした感じはありますね。



これで終演かと思いきや。



    まだ終わりじゃなかった!
 このフォーメーションは・・・そう、糸島市民まつりにいらしたことがある人ならもうおわかりだろう。
 なんと市民まつり名物・糸島市青年団の皆さんがついたお餅を用いておこなわれるスッペシャル・イベント=餅まきが今日また開催されるというのである!
 あのおいしい、糸島産のお米でつくられた丸餅が!ちょうど数日前に切らしてしまったあの丸餅がまたとんでくるぞ!
 正直、子供の頃から餅まきが大好き(なんのカミングアウトよ)で、当時住んでいた地域がものすごく餅まきばっかしてる街(餅はおろか、お菓子、乾物、はてはお金まで撒いていた)だったので、餅まきと聞くといやがおうにもその頃の血が騒ぐのだが、さすがに大人になった今ではそこまでやっきになることもない。・・・狙うはLovit's!が投げる餅・一択である。
 糸島市民まつりではあと2人というところでコンプリートを逃してしまったが・・・あっ投げ始めた!お・も・ち!お・も・ち!

 ・・・残念ながら今回もコンプならず。
 そもそもザ・走ってもないのにおもてなしエリアでおもてなされよう人間に餅をキャッチする資格があるかといえば「全くナシ!」なので、また来年、市民まつりで頑張りたいと思う。これがホントのおもちなしエリア、なんてね(といいつつ、必死になって12個ゲットしてたりするよ!)。
 
 走ってもないのに存分に糸島の方々とLovit's!におもてなされ、お餅まで頂いちゃってウットリしながら帰途へ。
 イオンモール志摩駐車場に目をやると、もはや筑前前原駅へのシャトルバスを待つ行列が「1時間30分どころの待ち時間じゃないぞ!」な感じになっていたので、帰りは徒歩を選ぶしかなかった。
 小一時間かかって筑前前原に着いたらもうヘトヘト。マラソンを走った人の疲労とは全く比較にならないが、こんな体たらくでは来年42.195キロ走るとか夢のまた夢である。
 まずは体づくりからだな、と珍しくポジティブな来年への想いを抱いた福岡マラソン2014参加録でした。

 あ、もひとつ教訓あります。
 黒のコートで餅まきに参加しないこと。真っ白になるゾ!


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